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HEROES

16 小澤太一

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about

小澤太一(こざわ たいち)

小澤太一 (こざわ たいち)

1975年、名古屋生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後、アシスタントを経て独立。人物撮影をメインに、写真雑誌での執筆や撮影会の講師・講演など、活動の範囲は多岐にわたる。ライフワークは「世界中の子どもたちの撮影」で写真展も多数開催。主な写真集に『ナウル日和』『SAHARA』『赤道白書』など。身長156cm 体重39kgの小さな写真家である。キヤノンEOS学園東京校講師。日本写真家協会会員。
これまで20年以上、世界中の子どもたちと
向き合いながら撮影を続けてきた。
たくさんの子どもたちとの出会いが
ぼくを少しずつ成長させ、
彼らに写真家として
育ててもらっていたことに気がつくことができた。
それはきっと、これからも続いていくことだけれど、
先のことは誰にもわからない。

だからこそ、この『HEROES』は、
ぼくの写真家人生のマイルストーンとなるだろう。
将来これを見ながら、ぼくが撮る子どもたちの写真が
どのように変化をしたのか、
もしくはひょっとしたら
まったく変化していないのかを見比べていきたいと思う。

そのためにも、これまでの自分の歴史を写真集として
まとめられたことは、
とても幸運だったと思う。

そして何より、これまでに撮影させていただいた、
たくさんのスーパーヒーローたちに感謝を込めて……。
  • レソト 世界で唯一、
    国土全体が標高1,000m以上にある国で、
    「天空の王国」と呼ばれている。
    そんな美しい風景を撮影していたら、
    突然、後ろに2人の子どもがいた。
    小物までも完璧にコーディネートされた衣装は、
    彼女たちの普段着なのか?
    低くなった太陽の光を浴びる位置に立ってもらい、
    すぐ近くに感じる青空と共に撮影させてもらった。
  • モロッコ サハラ砂漠の夕方は、極上の時間帯だ。
    見渡す限り砂しかない大地を、優しい光が包み込む。
    子どもたちは涼しくなった砂漠に出てきて、
    暗くなるまで遊ぶのが日課になっている。
    4人の子どもたちが見事に色分けされた衣装をまとい、
    各々がやりたいポーズと表情を
    カメラの前で見せてくれた。
  • カンボジア アジアの国を旅するときは、寺院を目印に歩くことが多い。
    地理的にも目印にしやすく、
    人が集まってくることも多い場所だからだ。
    山の上に建つ、古めかしいお堂を見つけて寄ってみると、
    そこに住む小さな修行僧が中を案内してくれた。
    真っ暗なお堂の中に電気はなかったけれど、
    入り口から差し込む光によって、
    中の壁に描かれた鮮やかな曼荼羅が浮かび上がった。
  • バングラデシュ 小さな村にある工場の片隅に
    居候していたときのこと。
    毎日よく会う近所の女の子と仲良くなり、
    いつも撮影させてもらっていた。
    まだ昇ったばかりの太陽が、
    斜めの光で彼女を照らし出す。
    裸足で地面を力強く踏みしめる姿は
    とても美しく、
    くるくる回る動きに合わせて
    シャッターを切りまくった最高の朝だった。
  • ナウル 世界で3番目に小さな国は、周囲19kmほどの
    一つの島だけで成り立っている世界唯一の国でもある。
    子どもたちは、海岸に流れ着いた
    発泡スチロールを使ってサーフィンを楽しんだあと、
    漁師が海に捨てたキハダマグロの新鮮な残骸を見つけ、
    おやつとして食べていた。
  • ラオス 太陽が沈む直前、子どもたちに
    田んぼのあぜ道に並んでもらい、
    掛け声と共に一斉にジャンプしてもらうことに。
    ぼくが大きなかけ声できっかけを出すと……、
    子どもたちはてんでバラバラにジャ〜ンプ!
    なかなか思うようにいかないと思いつつも、
    バラバラであることがむしろ個性かもしれない。
    結果オーライだ。

information

500部限定販売

タイトル
HEROES
発行年
2025年
仕様
240mm×240mm ラスター(ハードカバー)
80ページ 73点収録 豪華化粧箱付
サイン入りオリジナルプリント付
(240mm×240mm)
印刷
DreamLabo 5000
価格
29,150円(税込・送料込)
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