小島 征彦 写真展「探鳥列島2025」

日本は、ユーラシア大陸の東の端に位置する列島からなる小さな国ですが、東西南北に約3000kmに広がり、多くの島々を有しています。
全世界に生息する野鳥9000 種のうち、実に、小さな列島国、日本に生息する野鳥は690 種を数えます。日本列島は、生物多様性のホットスポットと考えても良いでしょう。
また、日本列島は緯度経度の関係や海流等自然条件の影響で、春・夏・秋・冬の四季の違いがはっきりと現れます。狭い国土ですが、国内を旅すると行く先々の地方特有の、美しい光景に出会うことが出来ます。
日本に生息する野鳥たちは、様々な理由で日本にやってきます。越冬に訪れる野鳥、繁殖のために訪れる野鳥、一年を通じて日本で暮らす野鳥、迷って日本に来てしまったり、台風などを避けて来たり、自然災害を避けてたどり着いた野鳥と、一羽一羽にドラマがあるのです。
私は、大好きな野鳥を探して、美しい四季を通し北海道から沖縄まで旅をしています。それが『探鳥列島』という私のテーマです。
出合った野鳥を撮影するとき、とても大切にしていることがあります。それは野鳥の表情で、優しい瞳になるように心がけております。また、野鳥の生活を脅かさないようにも心がけています。写真展では、ぜひ優しい瞳の野鳥をご覧ください。
一枚一枚の作品は、一見バラバラな作品に見えるかも知れませんが、今回の作品は国内撮影にこだわっており、作品を通じて日本列島の広さを改めて感じられる構成になっております。
鑑賞されます皆さまが、この不思議で奥の深い列島の、自然の美しさと野鳥の優しい瞳を感じて頂ければ嬉しく思います。